思い出のマンション＠大宮

自由が丘不動産エージェント　(株)タシカの名取です。先日、物件のご案内で大宮に行く機会があったので、昔勤めていたデベロッパー時代に自分が関わったりした思い出の地を巡ってきました。今風に言うと「聖地巡礼」とでもいうのでしょうか。

どれも、思えば大きな事業ですからいろんな出来事がありました。あの頃に戻るなら、今の知識と経験を持ったまま戻りたいです。良い仕事出来る気がします。

一昨年、お客様のご要望で売却のお手伝いをさせて頂いたタワーマンション。白と赤のコントラストが高速道路からも良く映えて、ヴィジュアルの良い物件です。立地的にも大宮の西口にあるのが良いですね。西口は洗練されたビジネス街です。東口はちょっと雑然としたところもあり、人気の大規模物件も、キャバクラの横通って家に帰るルートが一番最短だったりするんですよね。西口の立地に目を付けた方は、お目が高い！と言えます。

小さいながらも、品のある良い物件です。桜並木通りは駅に向かう一方通行で、歩道も石畳のような雰囲気で整備されて大宮の駅周辺ではちょっと特別な雰囲気がある一角です。この道路沿いにはあまり華美な物件は似合いません。落ち着いた色合いの物件が今でも品よく建っている様子を見ると、当時の同僚の皆さんのセンスに脱帽です。

でも、この物件の頃は会社も結構色々大変だったと後から聞いたことがあります。僕は結構この物件の品格が好きで、まぁ都心にもいろんな品の良い物件はあるのですが、大宮という街の中でいぶし銀の雰囲気を出せているのが何かイイんですよ。

同じ川沿いに建つ２物件は色合いもほぼ一緒でまさに兄弟物件！いずれも南北に細長い敷地。西向き中心がウィズ大宮、東向き中心が弐番館。当時はこのオレンジっぽい色がダサいと思ってたけど、今となってみれば全然そんなことないですね。マンションは個性が無いと埋没します。ちょっとリクルートコスモスの同時代のマンションと似ているって突っ込みもありそうですが、建築担当がきっと苦労して作ったろうなぁと思えるちょっとした意匠にプライドを感じます。エントランスの石の装飾とか、安い物件として売ったとは思えない高級感が今でもありました。

いい仕事すれば、時代を超えてちゃんと残るということですね。非常にバランスのとれたいい物件です。

この物件の近隣説明会は揉めたなぁ～(苦笑）横の小さな川を渡って行き止まりがこの物件。通り抜け道路にはないということで、マンションの顔としては微妙なんですが逆にそれを活かして造りこんだであろうエントランス廻り・駐車場のゲート等が秀逸です。

この物件は南向き棟と西向き棟の間の距離がだいぶ長くて、橋のような構造のエキスパンションジョイントという部分で繋がっています。新幹線から見るとこれが結構目立つんです。これも建築担当が色々ゼネコンや設計事務所とやりあった仕事だよなぁと新幹線から見るたびに思っていたので久々に現地に来てみて感じるものはありました。