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4月7日以降の不動産中古市場

自由が丘不動産エージェント ㈱タシカの名取です。不動産業界もコロナショックの影響をモロに受けております。今後どうなるのか見通しが立たず、不安な気持ちを抱えています。そんな中でも「人にとって住む場所は必ず必要だから、不動産価格はそんなに影響受けない」なんて意見も見受けられますが、本当にそうでしょうか?!いろんな角度から分析する必要はあると思います。

不動産業界の2020年4月

4月7日に発令した「緊急事態宣言」を受け、「不動産中古市場はどのように変わったか」

一部の大手仲介業者は完全に店舗を休業し、社員は在宅勤務に変更(実質、休業状態)

また、一部の大手仲介業者は、店舗の人員を極力減らし、チーム編成で交代制在宅勤務となっております。

中小の不動産業者も同じような状況です。不動産業は、対面折衝が当たり前。それが出来ないなんてことはあまり想定されていませんでしたからどの会社もテレワークと言われてもかなり困惑している状況です。

当社の取引先も、テレワークしようにも個人情報の取り扱いリスクもあり会社至急のPCで使えるソフトは限られていて、今利用者が急増しているZOOMは使えなかったりします。そうするとお客様とコミュニケーションするにもITギャップ(そんな言葉あるかどうか…)が生じてしまうという事も起きています。

私自身、取引先に挨拶に行くわけにもいかず・・・新しい仕事の依頼はほとんど皆無です。すでに契約済みの物件の決済準備くらいしかやれることがありません。

新築戸建ての分譲を行っている中小業者も、ネット・電話いずれでも物件問合せが全く無く、現地販売会をやろうにも人が出歩いていない中で何も対策が出来ないという声が聞こえます。

中小業者は、物件の仕入れに短期の融資を利用していて、仕入れ~販売~引渡の期間を早くしないと融資の返済期限が到来してしまいます。金融機関がいわゆる「貸しはがし」をしようとすれば中小業者の資金繰りが回らなくなり、経営危機に瀕することも想定しなくてはいけません。

春の気候のいい時期は、物件を見るのにもいい時期です。この気候が穏やかな良い時期にお客様が動けないというのは、梅雨~真夏という不動産の動かない時期を控えている私達不動産業者にとっては物凄く痛いのです。

 

緊急事態宣言下の売主心理は・・・

現在売却活動をしている売主様もこの「緊急事態宣言」を受け、実態的には内見自体をお断りする方が大半です。理由は、他人が自分の家を内見することによる新型コロナウィルス感染を避ける為です。

売主様は、この時期にはあまり内見をしてほしくない。買主様も、緊急事態宣言で不要不急の外出は控えているのでこの時期に内見は考えていない。上記のような理由で、この瞬間は不動産の物件がほとんど動いていません。

実際に、私が先週案内する予定だった物件では、売却仲介を受託している仲介業者の方針として緊急事態宣言期間中(~5月6日)は案内不可とのことでした。確かに、今はその方針が「正しい」のかもしれません・・・。


余裕のある売主様であれば、この時期にわざわざ内見してもらう必要はありません。コロナが終息した頃に内見してもらえばよいのです。ただし、コロナの終息はいつになるのか、誰にもわかりません。コロナ終息は、ここ1・2カ月ぐらいの問題ではなく、長期化するのはもう皆さんが感じていますよね。

売却するのにコロナの完全終息を待っていられない余裕のない売主様も世の中たくさんいます。すでに、買換え先を購入してしまって二重のローンが発生している売主様、コロナショックにより経営不振などで今不動産を売ってお金を作らないといけない売主様等、今売らざるを得ない売主様もいらっしゃいます。

そのため、マスク着用、手洗い消毒をして頂いた上での内見ならOKという売主様もいらっしゃいます。個々人によって考え方も様々ですから、そこは相手の考えを尊重して対応するしかありませんね。決まったルールがあるわけではありません。

当然、未だ先行きの見えない状況ですから価格交渉にも応じてくれる可能性が高いです。

マンションであれば築10年以内のものでなければ、売値より住宅ローンの残債の方が高い売主様はほとんどいないでしょう。長い間、ローンの返済をしてきて残債は減っているはずです。そして、この10年で見れば中古マンション価格は大分上昇したので、立地条件が良ければ新築時価格やそれを上回ることも少なくないからです。

築年数が浅く、新築相場が大分高い時に買ったマンションは、売値よりも住宅ローンの残債が高い事も有り得ますので値引余地は少ないでしょう。諸費用まで借りるお客様も多いのが直近のマーケットでしたから・・・残債を返せず自己資金を追加しなければならずその貯蓄も無いので売るに売れない…という事も考えられます。

逆に言えば、築10年以上超えている物件で“売らざるを得ない”マンションは、この状況下であれば、価格が大幅に下がる可能性があるともいえます。

買主側が今すべきこと

売らざるを得ない売り物件については、良い物件をお得に購入できる可能性がある時期とも言えるでしょう。ある意味強気の価格交渉を仕掛けられる絶好のタイミングでもあり、そしてより資産性の高い物件を選ぶ力が問われます。こんな不安定な時期こそ、早めに情報収集を始めて、信頼できるプロを見つけておくことが重要です。

では、住宅購入検討者は、今在宅で何をすればよいのでしょうか。

  • 今後の市場予想展開を知っておく

⇒当社も加盟店のリニュアル仲介では、『WEBセミナー』で解説します。

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  • 適切な判断・サポートのできる優秀なエージェントを見つけ、相談しておく

(今の内に相談、戦略を立てることが大切)

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  • 住宅ローンの審査を終えておく 

 

⇒住宅ローン審査も通常より時間がかかっています。金融機関も、出勤人数を減らすために半数は在宅、交代制などで対応せざるを得ないので審査手続きが通常通り進まない事情もあります。住宅ローンよりも、もっと切迫している融資などに時間を取られるのは仕方ないですよね。。。


結局、いつどんな時でも、信頼できるプロを見つけるのが大事というのはキーワードですね。

自由が丘不動産エージェント ㈱タシカ 代表取締役 名取確