· 

今災害が来ても住める家?!

自由が丘不動産エージェント ㈱タシカの名取です。どんな時でも災害に見舞われたくはないですが、新型コロナウィルスが蔓延する今、仮に地震や大雨などで避難所に行かないといけないとしたらどうでしょう?行けますか?三密は避けられません。人はストレスでいきり立っています。些細なことで言い争いが起こります。最悪の事態を想定したとき、みなさんはどんな住まいを選べばいいでしょうか。

避難所に行くリスク

一般的に、避難所は公立の施設です。体育館などが使われます。

 

ちょっと考えてみて欲しいのですが、皆さんの近所の体育館などは、いつ建てられたものでしょうか?構造は強いでしょうか?

 

そもそも、私は避難所が体育館なんだとしたらそこに行くこと自体がリスクに感じてしまいます。決して新しくない建築物。何度も地震で揺れたら、倒壊までは考えすぎとしても、一部損壊しそうじゃないですか?!

屋根に設置されている照明などは大丈夫なのでしょうか。屋根自体が傷んでて、一部が壊れて落ちてこないとも限りませんよね。

 

避難所にトイレは何か所あるんでしょう。大勢の人が避難してきて、何人の人が使うことになるんでしょうか。

 

今まで僕らの記憶にある大規模災害、避難所の映像はテレビで何度も出ていますが、それは地方の避難所であることが多いですよね。都市部で本当に避難しなくてはならないとしたら人口密度の差は明らかなので、もっとぎゅうぎゅう詰めになることは目に見えています。

 

避難所に物資はありません。マスクは新型コロナウイルス対応のため、医療機関に届けられています。床に落ちた飛沫から感染をするかもしれないので出来ればベッドで寝た方が…といわれても、そんなスペースがどこにあるんでしょうか。

 

ぎゅうぎゅう詰めの中、咳をしている人がいる。誰かが大きな声で「咳をしている奴は他に移せ!」と、文句を言っている。そのうち殴り合いの喧嘩も起きるだろうな。トイレに並ぶのにソーシャルディスタンスを保ったら、外で体育館一周近く並んでしまう。並んでるうちに雨が降って来た…体育館に入ろうにも靴が泥まみれ。東京ドームでのジャニーズコンサート女子トイレ並みの混雑が日常。

手洗い・うがいをしようにも、手洗い場に並んでいるうちに無意識で顔を触ってしまう子ども。つい怒ってしまう親。怒っても何も解決しない。自己嫌悪と絶望感にさいなまれる。ストレス解消したくても外は雨。叫びたいくらいだけど叫んだら精神病んでると思われる。

 

色々と、無理を聞いて対応してくれる職員さんにも家族がいます。なんで私が…なんで俺が…、やってられない!そんな気持ちを押し殺して避難者のために動いてくれる人がいる。なのに、大声で文句を言っている人がいる…その声が、みんなの心に棘のように刺さる。

 

みんなのメンタルの限界はあっという間に訪れるでしょう。僕だったら耐えられません。即、逃げたくなります。極端な想像でしょうか。そうでもない気がするのですが、どうなのでしょう。

 

なるべく避難所に頼らず、自宅で在宅非難が出来る家に住んでいたいと思いませんか。

 

マンションの強さの違い

 築年数が比較的浅い分譲マンション(平成以降築のイメージ)であれば、基本的に倒壊などは起きないような計算をされて建築されています。バブル前後の物件の中には、見るからに重厚で構造安定性がよさそうな建物もありますよね。

 

自分がマンションを選ぶときは、基本的に羊羹型のマンションを選びます。出来るだけ正方形に近いのが良いですね。ひな壇の様になっていたり、いびつな形状の物件は力のかかり具合が変わりそうですよね。どの物件でも構造計算はしっかりされていますから、そう簡単に壊れないので、大丈夫なんですけどね。念には念をと考えるなら、低層の羊羹型がベストです。

 

タワーマンションなど、地震の揺れに対策をしないと大きな事故になりかねない構造の建物は最新の免震・制震の設備を備えている物件もあり、比較的地震対策が出来ているとされています。地震大国日本の建築技術の粋を集めているので、そう簡単に建物が損壊しては困ります。でも長周期地震動と波長が合ってしまうと、東日本大震災時も大分長い時間揺れたという声を聞きました。

 

低層マンションは地震に強いでしょう。用途地域で低層地域に定められている場所にあるマンションは、最高10mなど高度制限がかかっていると、最高でも3階建て程度だったりします。階数が低ければ低いほど、建物の揺れる幅が小さく住みますから基本的には安全性が高まると言えます。地下を掘って4階建てにしている物件もありますが、その場合は地中にコンクリートを大量に固めて作っているのですから、さらに構造は安定しそうです。

 

上記は、いずれも分譲マンションの話です。高級な物件であればあるほど、様々な対策がされています。また、コンクリートの厚みも違います。各階の床・天井や隣との間の壁の厚み、柱に使うコンクリートの質などは物件によって違います。大衆車と高級車のボディが一緒なわけないのと一緒です。

 

私が以前購入したマンションは、床のコンクリート厚が250㎜でした。もちろん他の要素があってのことですが、最後にこの数字を見て購入を決めました。普通のファミリーマンションは200㎜が多いです。(※タワーマンションなどは、当然もっと厚みが無いとおかしいですよね)以前、築45年超の古いマンションをご案内した際、お客さんは気に入ってくれたのですが、なんだか不安を感じたので昔の図面を取り寄せて調べたらなんと床厚120㎜だったことがあります。建築士の先輩に相談したら「怖すぎる」というので、お客様には「僕は仲介したくない」とお伝えしたことがあります。

 

分譲マンションは分譲時のパンフレットを見れば、構造に関して情報は取れます。ですが、賃貸専用のマンションでは、そこまで用意されているかというと中々ないでしょうね。オーナーにお願いして建築時図面を見たりする必要がありますが、賃貸でそんなことまで気にするかというとそこまでしないのが普通です。

 

賃貸マンションを何のために建てるのか?!それは、収益を上げるためです。居住者の命を守る頑丈な建物を作るよりも、建築費を抑えて利回りを良くしたいと考えるのが普通です。頑丈すぎると、将来建替えるにしても解体が大変になるので壊しやすさも考えるかもしれません。

 

分譲でも賃貸でも個体差はあるのですが、モノの道理としては分譲の方が良くないとおかしいですよね。そういう視点でマンションを見てみるというのも一つありだと思います。

戸建ての強さの違い

戸建ては、マンションほど分厚いコンクリートで出来ているわけでは無いですし、数が多いですからそれこそ個体差が大きくなるのが道理ではないでしょうか。建てるのは、工務店の大工さん。今や大工さんになりたい人も多くないので、職人のレベルが全体では落ちているに違いないでしょう。

 

そこで、誰が組み立てても簡単にできるように建材が工夫されたり工業化されて作られています。戸建てメーカーで有名なポラスさんは、工場で木の柱などを加工してメーカーに卸しています。大工の職人仕事でやっていた木のサイズ調整や接合部の造作を、すべて機械で出来るので、後はプラモデルみたいに組み合わせれば出来てしまうという仕組みです。

 

廉価な建売であっても、品確法上の耐震等級3(最高位)を取って売っています。結局、なんでもかんでも数値化されて、それなりの物が、それなりの価格で出来るようになっているという事ですよね。だからこそ、安心な家を安く買えるメリットを消費者は享受しているわけです。 

 

長く建っている建物は、どれも当時の英知を結集して建てている建物です。人間が、本気で知恵を出し合って最も良いと思われる方法を作り出しているのです。法隆寺の五重の塔で使われている「心柱」の技術を応用して、東京スカイツリーにも心柱制震が採用されているのは有名です。

 

一方で、大地震が起きた時には残念ながら築年の古い木造戸建てが倒壊している現実があります。昔ながらの家屋は瓦が重かったり、経年劣化もあるので、注意すべきですよね。当然、最近建てられた戸建ては昔よりも建築確認の基準が厳しくなっていますし、木造戸建てが一概に弱いというわけではありません。

 

私が凄く影響力のある発信者だったら、炎上しちゃうかもしれませんが… 

 

戸建てで安くて良い物なんてありません。高いものが良いものです。

 

基礎・躯体にお金をかけて作っている建物は、長く持ちます。良いものを作るために、職人さんたちは技術を学び惜しみなく注ぎ込むでしょう。僕が職人だったら、やっぱり高価なものを作る仕事と廉価なものを作る仕事、どっちに気合が入るかと言えば高価なものですよね。

 

特に基礎!!普段目にしないところだけど、結局地面とくっついているのは基礎なのですから、ここが弱かったら上物を支えることなどできません。何事も、足場を固めることが大事っていうのは共通しているんですね。

結局、どういう物件を選ぶべき?!

災害が来ても住める家、在宅避難が出来る家を選ぶポイント

 

・分譲マンション(築年が浅め・総戸数・施工ゼネコン・修繕履歴要チェック)

・大手ハウスメーカーの物件(新築・中古でも可 中古は高級ブランドのリセールを意識)

・施工時の基礎工事資料等が残っている注文住宅(あまりいびつな形は選ばない)

 

上記のような物件が、基本的には安心です。100%大丈夫なんて言える人はいないんです。客観的データを積み重ねようにも、データを取るにはお金がかかります。買うと決めたものじゃなく検討段階でそこまでお金をかけるというのは、現実的には中々有り得ません。

 

なので、色々な物件を見ているプロに話を聞き、なるべく安心安全と思える立地選びからスタートしましょう。今自分が住んでいる場所は地盤が強いかどうか?!など、災害が来た時にもダメージが少なく済む可能性を頑張って追及してみましょう。

 

通勤にかかる時間、何となく慣れている場所だから、保育園が近いから・・・それって、本当に大事でしょうか?!家を選ぶ価値観を見直してみる事もおススメします。当社では、購入検討する際、一番最初にライフプランニング&家探しコーチングを提案しています。

 

月々返済をいくら以内、駅からの距離は…など、数字の条件だけではなく、何のために(誰のために)何を叶えるために家を買うのかをもう一度じっくり整理して家族で話し合うお手伝いをします。意外とやってないんですよ。かく言う私も、家を買う時に「ほぼ自分で決めちゃってるじゃん!」と、奥さんに文句言われて反省しました(笑)そして、買う前にはちゃんと何のために買うのか話し合い、今の家と次の家で、かかるお金・変わる環境などを比較した表をオリジナルで作ってプレゼンしました。

 

結局お金のところは物凄く大事で大前提なのですが、その上で、災害に対しての目線を忘れないようにして頂ければと思います。家庭内災害を避けるにも、良いと思いますよ(笑)

 

自由が丘不動産エージェント ㈱タシカ 代表取締役 名取確