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住宅ローンの契約をするまで

自由が丘不動産エージェント㈱タシカの名取です。今日は、マンション購入のお客様の、住宅ローン契約、いわゆる「キンショー」でした。こういう不動産用語、僕らは普通に使っていますが、わからない方も多いのでしょうね。それについての記事も書いてみようと思いますが、今日はキンショー=金銭消費貸借契約についてのお話です。

不動産絡みの契約は複数回あるんです

信頼できる不動産エージェントと巡り合い、これだ!という物件に出会えて買付を出し、無事に売買契約が締結できました。さて、その後にもう一つ契約が必要です。

 

それが、【金銭消費貸借契約】です。金銭消費貸借契約は名前が長いので「キンショー」と略して表現されることが多いです。え?何のための契約か?・・・そうですよね。中々聞きなれない事や、初めての事ばかりなのが不動産の契約手続きには多いですね。

 

金銭消費貸借契約=住宅ローンの借入について、金融機関と購入者が行う契約

 

です。以下で、金銭消費貸借契約にたどり着くまで詳しく説明をしていきたいと思います。

 

住宅ローンの審査から始まります。

住まいを購入する際には、ほとんどの方が住宅ローンを使います。住宅ローンは、銀行・信用金庫・保険会社・農協等、さまざまな会社が取り扱っています。

 

保険会社も住宅ローンを取り扱っているというのは意外じゃないでしょうか。農協も、農家さんであればお付き合いありますがサラリーマンの方などからすると全く付き合い無い方もいるでしょうから意外ですよね。ポイントは、住宅ローンは「安全確実」に稼げる商品なので、金融機関としては売りたい商品でもあるということです。

 

住宅ローンとはお金という“商品”ですから、もちろん会社によって金額(金利)が違いますし、かかる費用や手続きも違います。さて、その商品を買うにあたっては審査が必要となります。

 

・貸したお金を返してくれる人かどうか

・貸したお金で買う不動産に担保価値があるか

・過去にお金を踏み倒した実績が無いか

・他でお金を借りていないか

 

上記を各社の指定する書類に記入して申告すると、各社独自の判断基準でお金を貸すかどうか、審査されます。同じ内容で審査書類を出しても、貸してもらえる金額や金利に差が出てきます。

 

審査は2段階で行われることが多いです。

 

事前審査:売買契約前に行う審査 2~3日

本 審 査 :売買契約後に行う正式審査 1~2週間

 

ここまでは、なんとなく貸す側が上になっている印象を受けるかもしれません。

基本的に金融機関は「貸したい」

住宅ローンは、貸す側からすると凄く安全な商品です。今、コロナで仕事や収入が減って大変な時期ですが、何があろうと居場所をなくすわけにはいきませんから「家賃」と同じローン返済は真っ先に資金を確保しますよね。

 

ということは、住宅ローンは一番返してもらいやすいお金という事です。

 

また、本当に返せなくなっても金融機関は残債を保証会社に保証してもらえます。実際、住宅ローンを使って購入された不動産の登記簿謄本を見てみると、乙区に抵当権設定の内容が記載されているのですが、そちらに書いてある債権者は「株式会社○〇〇保証」といった保証会社の名前があります。貸出をした金融機関が抵当権をつけるのではないのです。

 

ということは、住宅ローンを借りた人が返済を続けられなくなってしまった場合には、その人に代わって金融機関にお金を返済するということです。これを保証履行と言います。ただし、住宅ローンを借りた人にとっては、借金がゼロになるわけではなく、返済先が金融機関から保証会社に変更されることになります。保証会社に、返済を続けていく必要があるという事です。

もちろん、保証会社はタダで保証をするわけにいきません。保証料を、住宅ローン利用者からもらっています。金融機関からではなく、住宅ローン利用者からです。ということは、金融機関はお金を出さずに安心安全に取りっぱぐれの無いお金を貸して商売が出来るという事です。

 

いくつもの金融機関に住宅ローンの審査をしてもらう事が出来ます。公務員、大手企業のサラリーマン、自己資金の多い方、良い不動産を購入する方etc ローンの条件は、こぞっていい条件を出してもらえます。ここからは借りる側が選ぶ立場になりますね。

 

逆に、収入が安定しないと見られて審査で厳しめに見られる方の場合は、フラット35が審査を通りやすいと言われています。この辺りはまた別の機会にお伝えしますね。

審査通過⇒キンショーへ

さぁ、本審査が通過したら、次はいよいよ金銭消費貸借契約(以下、キンショーで統一)です。

 

売買契約時に定めた決済日に予定通り決済を行えるように、もしくは、早めて決済を出来るように仲介業者を通じて段取りを決めましょう。

 

キンショーは、借り入れをする銀行で行います。必要書類への記名押印等、印紙代の支払い、火災保険の相談等々、1時間ちょっとかかるイメージを持っておいてください。キンショー時に、以下の情報があるとより安心に手続きが進められます。

 

■決済時の支払い明細

(支払総額-手付金)+固都税等精算金=決済金

決済時に支払うお金=①決済金+②仲介手数料+③登記費用

上記の合計金額と、住宅ローンが実行されて入金されるお金、事前に口座に準備が必要な金額を把握するためにも支払い明細を用意しておく必要があります。

 

また、決済当日にご本人が出席されない場合は、キンショー時に司法書士との面談をして必要書類の準備を終えておく必要があります。

 

実際のところ、キンショーの段取りまで進んでいれば、手続きはほぼ完了に近いです。安心して、お借入れの手続きを進めてください。ご心配なことがあれば仲介の担当に連絡をしてくださいね。ちなみに今日は、キンショー前に追加で提出してほしい資料があると金融機関から連絡を受けまして、その書類の書き方が間違ったら日程が遅れてしまうし、誰の印鑑がいるか具体的に指示してほしい等々のやり取りをしながら本文を書いています。

 

当然ですが、不動産取引には細かい事が色々あります。安心して任せられる仲介業者と手を携えて、最後のお引渡まで進めて行きましょう。

 

自由が丘不動産エージェント ㈱タシカ 代表取締役 名取確