自由が丘不動産エージェント㈱タシカの名取です。これからの人気エリアはどこになるかなんて、気の早い記事が見受けられるようになってきました。「南町田グランベリーパーク」など具体的な駅名を挙げる記事もあり…「おぉ、俺は一昨年その街のマンション売って引っ越してきちゃったよぉ~!」と涙を流した…なんてことはありません。これからの事なんて、全然わからないじゃないですか!!
何のための記事なのか
コロナ後の世界はどうなって行くのだろうか。と、まだ数ヶ月しか経っていない中でも色々な憶測が出ています。
不動産の価値も変わるだろうというニュース記事が色々ありますね。読んでみると、まぁそうだろうなと思うものもあれば、これは読者数稼ぐために無理やり書いたんだろうなと思うものもあります。
どんな記事もそうなんですけど、誰が何のために発信しているものなのか、書き手の意識をイメージして読まないと不確かな情報に踊らされてしまいます。
このブログは、1人で不動産仲介会社を10年経営してきた私が、身の回りの人達に僕なりの物の見方を知ってもらって、これからの人生を共に生きていく仲間に選んでもらえるかどうかをジャッジしてもらうための一助にしたいと思って書いています。
お客様のために「正しい」情報をお伝えしたいですし、自分の備忘録という意味もあります。ただ、読者数を稼ぐためではないという事で、あまりセンセーショナルで面白い内容はないかもしれないですが、そこはご容赦いただけると幸いです。
変わると思う価値観
ここ最近、都心近くに居住して職住近接で、時間を有効に使いたい。というニーズは非常に多かったと思います。
多くのタワーマンションが建って、それが全部売れているなんて僕はとても信じられないのですが、現実売れているようですよね。その主要な購入者層は、パワーカップルと言われる共働きの高収入世帯だそうです。
確かに、実感として共働きの方は増えましたね!というか、当社のお客様もかなりの確率で共働きです。
でも、僕らの親世代はまだ共働きは少なかったはずです。その子どもたちである私達は、まだあの頃(子ども時代)の母親がいつも家に居てくれる居心地の良い放課後の記憶があるから、奥さんが専業主婦になりたいと言えば喜んでそれを受け入れています。ちょっと下の世代になると何かガラッと変わる部分があるのかもしれませんね。学者じゃないから解析は出来ないですが。
それはともかく、家族と共に過ごす時間が欲しいという欲求は今の方が強いのかもしれない(特に男性)。昔は、郊外の住宅街に住んで通勤ラッシュにまみれ、「5時から男のグロンサン」を飲んで夜遅くまで仕事して、休日はゴルフ等に家族をおいて出かけるというモーレツ社員のライフスタイルがありましたよね。
何と言っても、伊藤忠の元社長である丹羽宇一郎さんの著書のタイトルは「汗出せ 知恵出せ もっと働け」です。(決して家族をないがしろにするという内容ではないことを追記しておきます)
でも今は、通勤時間を極力省いて何をしたいかって「家族と一緒に過ごしたい」というニーズが凄くある。だから便利な場所のタワーマンションを買って、家の近くで買い物も教育も何でも済ませられるようなライフスタイルが好まれているということが一部ではあるわけですね。
一方で、戸建てに住みたい方も多くいらっしゃる(というかこちらの方が多い)ので、当社のお客様の中心である注文住宅を建てる方は、立地条件の中で通勤利便性を少し我慢して、予算に収まる土地を買って建物を建てて頂いています。何のために戸建てにしたかと言えば「家族と充実した時間を多く過ごせる広いリビングや庭が欲しい」と、やはり“家族”が軸にあるわけです。
そこに、私はすごく共感します。
住まいの売買のタイミングで、家族の生き方が大きく変わります。自分が、家族が、どうなっていきたいのか。家を買う理由が「賃貸より安いから」ではなく「家族と幸せな人生を全うしたい」という、家を買ったさらにその先の目的のための手段としてであるからこそ私達は本気でお手伝いが出来るんです!
結局人気エリアは…
さて、結局のところ人気エリアは変わるのかどうか?!です。
本当にテレワークが増えて、通勤に重きを置かなくても良いとなれば「ちょっと郊外で、自然が身近で、通勤も1時間程度で行ける場所」はきっと注目はされますよね。東京なら「八王子」は中央線・京王線もあり高尾山も近くてイメージがしやすいです。「南町田グランベリーパーク」は駅前アウトレットモールと公園の一体整備で注目を浴びています。神奈川は候補が多い!「逗子・鎌倉」は言わずもがなのイメージですが「葉山」も復権するかもしれない。「三浦海岸」は今でもおススメの穴場です!「平塚・大磯」は不動産価格が安くて良いですし、「厚木・伊勢原」あたりも山が近く自然環境良いですよ。千葉なら「木更津」高速バス通勤も出来てしまうしゴルフ場がたくさんあり、個人的には凄く魅力的です。埼玉だと「川越」「秩父」などはテーマパーク要素もあり、特急も出ているので注目されそうです。
などなど、イメージは湧くのですが、さらに冷静に考えてみた方が良いですね。
これからは人口減少が進みます。人口減少=労働人口にも影響が出ますので、通勤路線などは縮小されていくことが考えられます。電車の本数が減ったら、遠い所に住んだとき結構キツイですよね。
テレワークが出来るからと言って、家でだけ仕事をすればいいなんて時代はきっと来ません。みなさん、人とのコミュニケーションに飢えてませんか?!私はもうめちゃくちゃ飢えてます!!結局のところ、通勤要素を0にして考えることは出来ないでしょう。
であれば、もうちょっと間を取って…都心からの絶対距離は守りつつ、駅距離を我慢するという考え方が認められるかもしれません。それくらいが現実的じゃないでしょうか?!
人気になるかもしれない候補の市町村でも【立地適正化計画】がすでに策定されていて、その中で居住用エリアから外れたところだと、将来は予算が足りずインフラ継続が難しくなり、上下水が使えなくなったりしたら資産価値は0に近くなる可能性だってあるのです。
人生は1度切り。自分が今、得られている・家族に与えられる環境の中で、本当に何がベストなのか?!をよく考えて、住まいを探してみましょう。人気だから住むのではなく、結局は個々人の生き方が問われるのが家探しです。
人生1度切り。そんなに長くありません。家で、家族と過ごす暖かい当たり前の日常を、そして仲間を呼んだりして笑って過ごすかけがえない時間を、自分の本当に住みたい家で過ごしていただきたいと思います。
自由が丘不動産エージェント ㈱タシカ 代表取締役 名取確
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