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土砂災害による被害者が4割

自由が丘不動産エージェント㈱タシカの名取です。4月も終わりになりますが、このところ春の嵐のように強いにわか雨の日もありますね。夏が近づくと、この雨がもっともっと強く長くなりますが、そうすると毎年のようにどこかで土砂災害が発生しています。土砂災害は一度起きてしまうと被害者が出やすい災害ですので注意が必要です。

近年、増えている土砂災害。

土砂災害は毎年のように全国各地で発生しており、私たちの暮らしに大きな被害を与えています。自然災害の内、土砂災害による犠牲者の割合は約38%も占めます。高台や斜面地の物件を購入しようとする場合、必ず市区町村や都道府県の発表している土砂災害のハザードマップ等を必ず確認してから購入しましょう。

土砂災害発生件数の推移

国交省・内閣府など、防災に関わる行政のHPを参照すると、色々な情報を見ることが出来ます。色々知見を貯めていることがわかって面白いです。この図の、過去10年での順位というのは「過去10年に取ったことがある最高順位」という意味でしょうか。

 

いずれにせよ中四国の山が多く、斜面地に宅地造成されたエリアがどうしても多くなっていますね。自然の力には、逆らえないという事がよくわかります。

 

なんと、平成30年は過去の統計上でも圧倒的に件数が多かったんです!近年の大雨はちょっと異常と感じることも多いですもんね。実感値と数字があっています。特に、大きな地震があったわけでもないのに数字が突出しているというのは、よりリスクに敏感になるべきという事ですよね。

自然災害のうちで土砂災害は犠牲者数が4割も

自然災害の中で、圧倒的に助からないのが土砂災害という事ですね。確かに、最近毎年のように出てくる大規模土砂災害の映像を見ると、とんでもない量の土砂が流れて来るので、ひとたまりもないなと思いますよね。

 

でも、首都圏に住んでいる私達は、土砂災害が起こるのは山の方でしょ?!と、どこか他人事のように眺めている感が否めない気がします。

実は神奈川県で土砂災害頻発!

首都圏で家探しをしようとすると「神奈川県は坂道が多い」という話を聞きませんか?!駅から平らなエリアは確かに少ないと思います。海沿いの横浜や湘南エリアが有名だから、あまり山のイメージは持っていらっしゃらないかもしれませんが、なんと神奈川県は【がけ崩れ件数 日本一】です!!

 

宅地の多い神奈川県でも頻繁に起こっていますので、神奈川県で住宅購入検討されている方は、必ず確認下さい。このように近年土砂災害は毎年のように全国各地で発生しており、私たちの暮らしに大きな被害を与えている、その一方で新たな宅地開発が進み、それに伴って土砂災害の発生する恐れのある危険な箇所も年々増加し続けています。そのようなすべての危険な箇所を対策工事により安全な状態にしていくには、膨大な時間と費用が必要となっています。

神奈川県横浜市に住んでいた経験のある私からすると、上記のような景色は日常の中に溢れていて、結構当たり前の光景でした…でもよく考えてみればこれって「崩れますよ~」と言われているようなものなのだから、緊張感のある光景なのですね。当たり前の物を疑ってみるという視点が、災害対策には重要なのかもしれません。

土砂災害の種類と区域

※画像は富山市の土砂災害課よりお借りしました。

土砂災害は3種類あります。一番頻発するのはがけ崩れです。皆さんのお住まいの近くにも、がけ崩れしそうなところはありませんか?!最近では、逗子の方で2件事故が起きてしまいました。マンションの敷地の崖が崩れ、通学中の女性が巻き込まれ死亡した事故。散歩中の男性が、海岸沿いの崖崩れに巻き込まれて死亡した事故。私にとっては身近な知り合いも住んでいて、景色も思い浮かぶような場所での事故が連発してしまいました。

区域の指定

■区域の指定

都道府県が基礎調査結果の公表後、土砂災害の恐れのある区域を指定しています。

 

▼土砂災害警戒区域(通称:イエローゾーン)

急傾斜地の崩壊等が発生した場合に、住民等の生命又は身体に危害が生じるおそれがあると認められる区域であり、危険の周知、警戒避難体制の整備が行われます。

 (土砂災害防止法の概要-国土交通省より引用)

  

▼土砂災害特別警戒区域(通称:レッドーゾーン)

急傾斜地の崩壊等が発生した場合に、建築物に損壊が生じ住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる区域で、特定の開発行為に対する許可制、建築物の構造規制等が行われます。

 

 

家族の生活基盤となる住宅の場所が家族の生命や身体に危害が生じる恐れがあるため、土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域に存する物件は購入を基本的にはやめましょう。

 

危険性のある不動産は、価格にも反映されています。不動産の資産性も将来の流動性ももちろん影響があります。

超意外!23区の土砂災害警戒区域&特別警戒区域

東京23区内でも、土砂災害警戒区域及び特別警戒区域はたくさんあります!実は身近な問題だという事を認識しておいてくださいね。23区で、区内の土砂災害警戒区域指定数が一番多い区は200箇所超も指定されている場所があるんです!

 

1位の区はどこでしょうか?!

 

気になりますよね。

 

結構意外です。

 

皆さんビックリするかも?!

 

正解は・・・

 

 

・・・・・・

 

 

港区です!!

 

 

 

指定箇所数の多いTOP5は、下記の通り。

( )内の数字は内特別警戒区域

1港区 211箇所(142

2板橋区 149箇所(117

3文京区 106箇所(64

4世田谷区 100箇所(79) 

5大田区 97箇所(60

 

高級エリアの港区や文京区に崖地が多いという事です。想像してみれば確かにそうですよね。赤坂、白金台、白山、千駄木など坂が多いエリアの景色を思い出せば納得がいきます。世田谷区や大田区は国分寺崖線の延長線上ですし、自由が丘、尾山台、大岡山、雪谷など地形を想像させる地名が多いですね。

 

皆さんも、災害への備えは他人事にせず、自分の事として一度考えてみる事をおススメします。家を購入する際に、土砂災害警戒区域を勧めることはほぼありません。よっぽど、成城の崖線上に住みたいとか特殊なニーズがあれば別ですが、そんなVIPが当社に依頼をすることもほぼ無いので。。。もしお越しいただいた時には、全力で人脈を生かして安心安全な施工をされている物件をお届けします!

 

自由が丘不動産エージェント ㈱タシカ 代表取締役 名取確

 

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コメント: 1
  • #1

    白石 香織 (火曜日, 07 7月 2020 13:48)

    実は、成城の国分寺崖線に建つ、ロイヤルシーズン成城Ⅱの新築物件を購入しようか、
    とても迷っています。
    住み替えをどうしてもしたく、4,5年中古で探していたのですが、南側の抜け感や、日当たり、閑静な住宅で、主人の通勤にも便利で、というとなかなか出てこず、
    この物件に行き着きました。
    ただ、やはり崖の心配がとてもあり、土砂災害警戒区域にも、きけん地域にも入ってはいないのですが、近い場所は入っています。
    辞めた方が良いのでしょうか。?
    それ以外は、低層なのに、眺望もとても素敵で、価格も割安で、傾斜地物件に特化している建設会社みたいなので、本当に迷っています。
    お答えを頂けると、幸いです。