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4月の不動産市況

自由が丘不動産エージェント㈱タシカの名取です。遅ればせながら、4月の不動産市況のデータが出ましたので纏めておきます。コロナ禍でどういうデータが出てくるかは興味がありますね。実感値と、データには乖離があります。これを読み解いて、自分の知識として貯めておきたいものです。

中古マンションの値下がり

公益財団法人東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)から、20204月度の不動産流通市場動向が発表されました。以下、首都圏エリアの中古マンション地域別成約㎡単価の部分を抜粋しました。

 

○東京都 

4 月の東京都区部は76.46 万円/㎡と前年比で1.6%下落し、3 月に続いて前年同月を下回った。多摩は40.05 万円/㎡と前年比で2.9%下落し、4 ヶ月ぶりに前年同月を下回った。

 

○神奈川県 

4 月の横浜・川崎市は47.02 万円/㎡で、前年比プラス0.1%とほぼ横ばいであった。神奈川県他は29.06万円/㎡と前年比で7.2%下落し、5 ヶ月連続で前年同月を下回った。

 

○埼玉県・千葉県

 4 月の埼玉県は29.98 万円/㎡と前年比で3.8%下落し、10 ヶ月ぶりのマイナス。千葉県は24.15 万円/㎡で前年比11.3%と2 ケタの下落となり、3 ヶ月ぶりに前年同月を下回った。前月比では両県とも2 ケタの下落となった。

 

◆公益財団法人東日本不動産流通機構

 『月例報告 Market Watch サマリーレポート 20204月度』

 

このサマリーレポートをしっかり見る不動産営業は少ないです。今、まさに現場で起きている事の実感値と、こういった統計の数字を頭で整理して、お客様に伝えていくのも私たちの仕事の一つです。特に、非常時に出てくる数字などには注目しておく必要があります。

 

 

注目指標はコチラ

私が注目したのは、2つの指標です。

 

中古マンションの成約件数は、前年同月比で50%超の減少しているエリアが多いんです。

 

これは非常に怖い…。

 

どんな統計でも、前年同月比で半分以下って言うのは、よっぽどの事象ですよね。都心部で投資目的で売買されていた物件はもう壊滅と言っていいでしょう。

 

ただ、実感値としては、大手業者が休業していて大手が取り扱っている物件は案内など全てストップになっていたので7~8割は減ったと予想していました。

 

5割減という事は、実質大手の抱え込みでコッソリ決まっていたという業界の裏部分も少しか今見れるような気がします。。。

 

 

そして、中古戸建の成約価格は興味深い数字が出ています。埼玉県では-19.4%、なのに、千葉県では+5.6%です。この市況下で+が出るというのは何なのでしょう?!千葉では房総のリゾート別荘などがテレワーク用の拠点として買われているという話を聞きました。そういった面で、埼玉には無いニーズを作り出せるのかもしれません。

 

東京都区部でー11.2%・・・戸建てが-11.2%も値段が下がるってすごいですよね。8,000万円の戸建てが7,000万円前後で買えるようになるということですからね。実際に私の住まいの近くで販売している新築も8,480万円で出ていたのが気づけば7,780万円で広告されていました。広告上でその数字だからさらに値引きされるでしょう。

 

中小の建売業者はキャッシュフローが本当にきつくなっているのかもしれないですね。建売業者が事業継続できない…そうなってくると、保証などをしっかり継続できるのか?!という問題も出てきます。

 

しっかりと、経営状況の安定したハウスメーカーなどの物件が、建売より1,000万円以上高くても、そちらの方が安心出来る。そういった市況なのかもしれませんね。

 

5月以降のマーケットはさらに注目です。実感値としてはGWで大分復活しています。マンション成約は減っているでしょうけど、戸建ては持ち直すのではないかと。色んなストーリーがまことしやかにささやかれていますが、実際の所はこのレインズの数値が一番信用できます。

 

どのエリアに住むのが、自分の人生にとっていいのか?!プロの目線と、自分の目線と、家族の目線。色々とミックスして、ブレインストーミングすることが大事です。

 

自由が丘不動産エージェント㈱タシカ 代表取締役 名取確