ニュー・ノーマル時代の不動産仲介

先日、国土交通省は「不動産業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を公表しました。

 

本ガイドラインは、事業者の事務所や案内所等取引の現場において、各事業者の取引等の実態に応じた新型コロナウイルス感染予防対策を行う際の基本的事項について、参考としてまとめたものです。

 

ガイドラインの根本にあるのは、定期的な手洗いの徹底や、「３密」の回避などとなっています。

 

ガイドラインとか言って、わざわざ言われるまでもなく、自分たちの中で消化しておくべきことだと思うのですが…まぁ大手などの会社では総務とかが方針を自分で決めるのもムズカシイという事で「国からガイドラインが出ました～」と社内広報するのかもしれませんね。ですが、以下のような内容も含まれているんですよ。

 

・従業員に対して、毎日しっかりと睡眠を取り、休日は休養に努めるよう求める。

・従業員に対し、始業時、休憩後を含め、定期的な手洗いを徹底する。

・  トイレに蓋がある場合、蓋を閉めてから汚物を流すよう表示する。

 

・・・。僕たち大人ですから。自分で判断出来ます！！バリキャリで国交省に入ってこんな文章作っている人は、自分の在り方考えちゃいませんかね？！

 

国交省が、不動産業者を抱える親方たる気概があるのであれば、一言こう言って欲しい。

 

「不動産業は国にとって必要不可欠。全力で支えるので各位奮励努力せよ！」

 

それで後は自主努力で考えればいいんです。「細かいところまで気が利くわ～」なんてことを“親方”に求める不動産会社社長はいません。

 

テレワークや時差勤務、交代勤務などの指針も提示されています。物件をご案内する場合の取り組みについては下記のようなことも。

 

・原則、現地集合・現地解散とする。

・車で案内する場合は、窓を開ける。

・物件を内見中は窓を開けて、できるだけ短い時間とする。

 

3密を避ける、という意味ではこうするしかないのでしょうが、夏の猛暑日や冬の極寒な日など想像するだけで間抜けです（笑）物件案内というのは、近所だけではないのです。高速道路疾走するのに窓を開けるわけにはいかんでしょう。

 

「これ、買うわ」「ありがとうございます。お包みしますか？」

 

という会話で成立する取引ではないのです。一つ一つ、お客様の不安を取り除き、普段手にしたことのない書類について案内をし、大事な個人情報をお聞きして、適切な金融機関へのご誘導など、僕らは会話の内容や表情、紹介先なども含めて自分を信頼してもらって初めて、高額な不動産という商品をご購入いただけるのです。

 

僕の癖で、言い方は大変ぞんざいかもしれませんが不動産売買仲介はサラリーマン根性でやる仕事ではないと思います。「自分が社長になったような意識で仕事をしろ」と社会人になってから何度も言われてきましたが、まさにそれが必要です。

 

売主様も購入検討者様も、否応なく短時間での内見を希望することになりそうです。

 

そこで、もう一つの取り組み事例として列記されていたのが、ネット環境を活用したWEB内見です。WEB会議システムや、ビデオ通話を利用して、購入検討者の方は現地に足を運ぶことなく、室内を見学することができるようにする、というものです。

 

これが浸透するというのは詭弁ではないでしょうか。

 

考えなくても買える金額の物件なら、それで決めちゃうようになるかもしれませんね。ガンガン押しまくる営業に買わされちゃう人達は、恐らくWEB内見で買う人になるでしょう。

 

当社に相談にいらっしゃるお客様は、恐らくWEB内見では買わないお客様と思います。

 

実際には、最近当社のＡＩ不動産システムは注目されています。SelFinなどのWEB物件診断アプリを使ってのふるい分け⇒エージェントへの相談⇒WEB内見⇒気に入った物件を実際に現地で確認、といった流れができてくるかもしれません。

 

新型コロナウイルス感染症は多方面での影響を与えていますが、不動産業界も例外ではありません。物件価格などに対する様々なコメントもありますが、物件の探し方・売り方にも大きな変化がありそうです。

 

色々な変化によって、ニュー・ノーマルが作られていくのだと思いますが、当社はニュー・ノーマルを目指すことはありません。常に、アブノーマルでありたいと思っております（笑）

 

自由が丘不動産エージェント㈱タシカ　代表取締役　名取確