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職住融合

自由が丘不動産エージェント㈱タシカの名取です。日立製作所が週2~3日出社にして、在宅を前提にした働き方=勤務時間ではなく成果で評価する制度に移行するようです。今までの当たり前を疑ってみるというのはある意味チャンスですよね!っていうか、今まで勤務時間を評価していたのか?!というのが率直な感想なのですが…。基本「結果が全て」じゃないのかな?・・・やーね、不動産屋って(笑)

職住融合の考え方

世間では新型コロナウイルスの影響から、職住融合という考え方が広がろうとしています。それも日本において、一気にテレワーク中心の仕事環境に変わり、その状況を考慮しての職住融合という考え方が定着していくかもしれません。

 

日立製作所でも7割がテレワークしているそうですし、IT系の会社などは9割がテレワークしているという会社もあるようです。

 

「やればできるじゃん!」という感じでしょうね。そうすると、家の間取りにはどういった変化が求められることになるのでしょうか。

 

これまでは家づくりをする際には、区切られた書斎という形式より、踊り場などにカウンターを設けて、ちょっとしたワークスペースを確保するという事が一般的でした。しかし、テレワークを行うには個室もしくは仕切りでゾーニング出来ることが求められます。

 

マンションの共用施設に関しても、今までのようなゲストルームやキッズルーム、スポーツジムなどに加え、コワーキングスペースを確保するような流れも急速に進んでいるようです。コワーキングスペースがある物件は前からあったのですが、利用率凄く低かったのです。今、利用率凄く高いでしょうねぇ!

『職住融合元年』の到来?!

 職住融合を意識してか、最近の間取りの中に、例えばウォーク・イン・クローゼットや納戸スペースにワークスペースを設ける物件も出てきています。戦後、高度経済成長期の中で一般的となった、リビングのテレビ前に家族みんなが集まるといったシーンは少なくなっていくかもしれません。

 

我が家もあまりテレビを見なくなりました。変な情報が多すぎて、見る意義が無いですからね!でも、ブラタモリを始め(個人的な嗜好ですが)いい番組はまだまだあるので全く無くなるという事はないでしょう。

 

考えてみたら、いまや多くの方はスマートフォンやタブレット端末で情報を仕入れます。テレビを見ないといった方も増えているようです。テレワークなど、働き方のスタイルも多様化し、職住融合がスタンダードになるかもしれません。

 

職住融合させるのには、広さが必要となります。今まで以上に、間取りの可変性や効率のいい間取りが求められるようになるでしょう。間取りを作りやすい構造とは何か?!比較的廉価にできる木造軸組み工法・2×4の建売などは間取り変更が難しく、新しいニーズに対応できない可能性もありますね。

 

マンションも、古い物件は部屋の中にどうしても抜けない壁や梁などが多くなります。アウトフレーム工法で室内の間取りは変えやすい物件は評価が高まることになるかもしれませんね。

 

将来、新型コロナウイルスの影響により、家づくりの考え方そのものが変わったと思い返す事もあり得るでしょうね。テレワーク化が進み、『間取り変化元年』もしくは『職住融合元年』と言われることもありえるのではないかと感じます。 

 

間取りだけじゃない大事な事

「職住融合」の家づくりには防災面も欠かせない要素だと思います。災害時に逃げなきゃいけない場所で仕事するって無理ですよね。

 

20204月には、水害可能性の有無で火災保険料を変動させる動きも出てきました。今でこそ水害可能性のあるところとないところで資産価値に差はついていませんが、火災保険以外にも金融機関の担保評価など、徐々にそういう機運は高まって来ると思います。

 

金融機関はコロナ関連融資で大量の資金を放出していますから、今後、住宅ローン審査は間違いなく厳しくなります。返済余力のある計画じゃないと、審査で没になる可能性もありますし、投資用の不動産などはすでに引き締めにかかっています。

 

今後、災害に弱いと思われるエリアの物件は担保評価が物凄く低くなり得ます。私が金融機関だったら、水害リスクのある物件に融資なんてしたくありません。がけ崩れのリスクがある物件も同様です。家が流されたり浸水したり崩れたりする可能性があるのに、個人属性が良ければOKとするような今の甘い審査は通用しなくなるように思います。

 

現在の不動産売買に関する宅建業法では売買する時に防災面の説明は努力義務とされていますが、正直、ほとんど説明されていないのが実情ではないかと思います。その為、これから不動産購入をされる方は自己責任で、その知識を持っておくことが重要です。

 

インターネットで公開されている「国土地理院地図」で自然地形地図を確かめることをお勧めします。調べたい場所をクリックすると、土地の成り立ちや自然災害のリスクの特徴がわかります。水害ハザードマップと照らし合わせるとリスクがわかりやすいと思います。

 

数字も大事ですし、周りの様子を見るのも大事ですし、地形の成り立ちについて最低限の知識を得ることも大事です。その知見を得るのにはブラタモリがかなり有効ですよ!!素晴らしい番組作りをするテレビの文化は残してほしいものですね。

 

自由が丘不動産エージェント㈱タシカ 代表取締役 名取確