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アフターコロナの住宅ローン

自由が丘不動産エージェント㈱タシカの名取です。今後、住宅ローンを組みにくくなることが一番怖いと思っています。企業や個人を救うために物凄い金額を財政出動していて、金融機関も融資をしまくっている状況下で、住宅ローンの貸出しを今と同じ低い金利のままでいいのか?!予測はしてみる必要がありますよね。

デフォルト率に注目

私は専門家でも何でもないので、自分なりに整理して分かりやすく書くことだけを意識しています。

 

住宅ローンは金融機関にとって「安全性の高い商品」であるのは間違いありません。

 

デフォルト率には様々な指標があって、完全にこれを見れば正解というものが無いのですが、概ね0.2~0.3%のようです。

 

物凄い低いですよね。1000人で2人。10万人で200人…あれ?!コロナの罹患率よりは高いか!!

 

それはともかく、このデフォルト率がUPしていけば銀行は収益が悪化します。コロナの影響で、住宅ローン返済をしている人が返せなくなってしまうと特にです。実は、銀行が住宅ローンで上げる収益は1年目が10としたら、7年で2まで下がり、その後は非常に少ない利幅で14年目からは赤字になります。

 

買って間もないお客様がデフォルトになると最悪なんですね。今はまだ大手サラリーマンの方が給料下がったリストラになったりという直接的影響を受けている様子が無いので恐らくは急にデフォルト率がUPするという事もないでしょう。

 

倒産・廃業などを選ぶ自営業者も、50代以上の割合が高く、若い人は融資を受けてしのぐ傾向にあるようです。よって、ローン残高の多い人がデフォルトになってしまう率は低そうな気がします。

 

そうすると、結局のところデフォルト率が上がると言ってもそこまで大きなインパクトにはならないのではないかと想定されますね。

 

フラット35の方がデフォルト率は上がると思います。大手サラリーマンや公務員の方々よりも、個人事業主や兼業の方など、銀行が余り優遇してくれない人たちがフラットで借りるというのが傾向としてはあるからです。おそらく、これからローン返済が滞るとか、相談が増えているというニュースが出てくるときは住宅金融支援機構から発表される延滞件数の、コロナ前後比較などがニュースアップされると思いますが、要は煽りやすいからですね。

 

民間金融機関。地銀・信金あたりが貸出しを渋ってヤバいというようなニュースが流れ始めたら、そこからが本番でしょう。住宅ローン・アパートローンに依存度が高い金融機関は地銀・信金などですから、そこでのデフォルト率がUPし始めたら本格的にヤバい。

ローン審査は変わるか?!

結局のところ金利が上がるか否か、そこが肝になりますね。金利が上がれば審査金利もあがるのですから、同じ年収で借りられる額が変わります。

 

審査は慎重になりますから、年収だけではなく担保となる不動産の価値をしっかり見極めることになるでしょう。災害に強い立地か否か、将来価値(要は都心に近い方がいい)について、金融機関は不動産については素人ではありますがビッグデータなどを使って検証することになるんでしょうね。災害が起こるとデフォルト率がどれだけ上がるかなんて、ビッグデータで検証すればすぐわかるでしょうし、どのメーカーの顧客がデフォルト率が高いかも全て簡単に検証できてしまいそうです。

 

私達、不動産仲介会社についてもそうですね。「あの業者が成約した物件はやたらデフォルトするな…」となると、「こいつらの営業スタイルは荒いから無理やり買わせてるぞ」という事がわかるわけです。そういう業者の客にはローンを付けないという事も出来るようになるでしょう(早くそれ実行してくれないかな)。

 

先ほど、都心に近い方がいいなんて書きましたが、その価値もどうなるでしょうね?!

 

テレワークで十分仕事が出来てしまう世の中になったら、あまり都心である意味もないかも?!です。それよりも住環境が良い方が望まれるのかもしれません。例えば、風致地区で隣接建物との距離が大きく敷地にゆとりがある代わりに、駅からは遠めの住宅街なども価値を見直されることになるかもしれません。

 

敷地は広ければ、みどりを眺めつつ、敷地内で野菜を育てるちょっとしたスペースが取れたりします。軽い運動が気兼ねなく出来るような位置指定道路の物件なども見直されるかもしれないですね。

 

そういう立地に住んでいる人の方がデフォルト率が低い!なんてデータが出て、審査が変わる可能性だってゼロではありません。様々な要素でこれからの住宅ローンは変化する可能性があります。

人と同じ動きでは遅い

諸々、可能性の話はありますが、今目の前で起きていることとしては、状況はあまり変わっていません。

 

空前の低金利ですから、今借りるのがいいに決まっています。

上記の表は、都内の新築マンションの平均価格と金利の比較表です。結局、2009年当時に固定金利2.84%で買った人と、2019年に固定金利0.93%で買った人はほぼ支払いの差が出ません。

 

利息率が全然違うのですから、当たり前。

 

今、金利が変わらないうちに、不動産を買っておいて月々の支払いを押さえられるようにすることが肝要です。同じ面積・グレードであれば賃貸の方が高いのが当たり前。価値が落ちにくいエリアの物件を買っておいて、返済完了後に賃貸に出す等々、不動産を活用して資産形成をしないと現金だけを貯めるって結構大変ですよね。

私の今時点の結論は、今、買いです。実際に、業者仲間と電話するたびにヒアリングしていますが、問合せは増えていると聞きますよ。

 

ただ、問合せてもそこから動く人はそんなに多くありません。実際に動いた人しか、結果は出せません。何か動き出したいとき、パートナーを誰にするか、せめてその選別くらいは済ませておいてくださいね!

 

自由が丘不動産エージェント㈱タシカ 代表取締役 名取確