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不整形地の資産価値

自由が丘不動産エージェント㈱タシカの名取です。昨日今日と九州で物凄い雨が降っています。私も友人がいるエリアで大雨特別警報が出ているのでLINEしたのですが返信が無いので心配です・・・と、ブログを書いていたら「大丈夫」と連絡が来ました。一安心です。さて、今日は土地の形状による不動産の価値について考えてみたいと思います。

旗竿地にフォーカス

土地の形には、正方形・長方形・台形・旗竿地・その他⊿やの土地もありますし、いびつな形の土地などいろんな形があります。

 

この中で、広義の不整形地と呼ばれるのが「旗竿地」と「いびつな土地」です。

 

いびつな土地は中々検討することもないでしょうから、旗竿地(またの名を路地状敷地)について考えてみましょう。

 

「旗竿地」とは、字のごとく「竿」のような通路部分の奥に「旗」となる宅地分が広がる形状の土地です。土地面積があっても、間口が狭いため出入りに支障があったり、陽当りや風通しに難のある物件もあります。

 

こうした土地の価値は、どのように計算するのでしょうか。

 

一般的な土地は、周辺価格相場や、公示地価、路線価などの㎡単価を基準に算出します。

ただこの計算方法では、整形地の価格算定には使えますが、不整形地の場合にはそのまま利用することができません。

 

こうした場合に参考になるのが、路線価算出時に用いられる補正率の考え方です。

 

国税庁のHPによると、たとえば「旗竿地」の場合、「奥行長大補正率」「間口狭小補正率」「がけ地補正率」といった補正率が利用できます。

 

「奥行長大補正率」とは、間口に対して奥行のある、いわゆるウナギの寝床のような地形の場合です。こうした地形は土地の利用価値が下がる、ということで補正率が適用されます。

 

「間口狭小補正率」についても、間口が一般的な土地よりも狭いため、通行や建築工事などに支障があり、利用価値の低下が認められます。

 

建築用の資材を運ぶのにも、例えば2mの通路部分が延長距離20mあった場合を考えてみてください。重機が入れないので手運びをする必要があります。クレーンのアームも届かないので、重い部材なども分解できないと大変です。分解できても現地組み立ての手間がかかったり、ハウスメーカーの工法によっては建てられないという事もあるでしょう

 

そして「がけ地補正率」とは、旗竿地のように想定される整形地から欠けている土地部分がある場合に、価格を調整させるための補正率ですが、それを路地状敷地の計算に利用するのは何となく違和感を感じますよね。

 

それぞれの計算方法には細かい条件があり、一言で説明することは困難ですが、一般的な住宅地の場合、旗竿地の路線価は整形地の23割ほど価値が下がる計算になるようです。

 

この考え方を参考にすれば、旗竿地の取引価格についても周辺相場の23割減として算定することも可能かと思います。実際の取引で、そこまで下がっているかというとそれは個別事案によって違います。

 

計算方法はあくまでも参考値にしかなりません。実際には、例えば間口が2mの旗竿地と3mの旗竿地では、資産価値は全く変わります。

 

間口2mの場合、車を止めてしまうと人が通り抜けることも困難になります。というか、2m間口に車を停めるとなると、私の車だと15㎝しか余りが無いので、片側7.5㎝…降りられません!むしろ、怖くて停められません!

 

一方で、間口が3mあれば、車を止めた横を自転車で通り抜けることも可能です。むしろアプローチ部分をカッコよく外構を作れば、道路から一本入った静かな所に住めるメリットもあります。

 

土地としての資産性について、どちらが高いかは言うまでもありません。路地状の土地は嫌とか、毛嫌いしている場合ではないんです。

 

私の理想は間口4m以上の路地状敷地。価格が安く、固定資産税評価額も低く、車停めるのは楽々で良い事ばっかりです。もちろん「旗」部分がある程度広くないとですけどね。

 

また、旗竿地の「竿」と呼ばれる通路部分についても、隣接地と「竿」同士が隣り合った通路になっていることもあり、面積以上に開放感のあるケースもあります。不動産の図面だけの情報では、土地の使い勝手はわかりません。

 

 

車を使わない人にとっては、希望のエリアで土地を安く買うのに旗竿地は「安いという価値」があります。

プロのお勧めは売れます

旗竿地でも何でも、僕らがおススメという物件はまず売れないことはありません。良い土地はあっという間に買い手が決まります。

 

例えば、当社近くの世田谷区でお客様からエリア・価格の希望条件を頂いて検索をすると、数十件~百件以上は物件があります。ただ、お客様のご希望をしっかりヒアリング出来ていれば、希望プランが入るかどうか等は大体土地形状等の概要でジャッジが出来るので自分的に案内しても良いなと思うのは「2~3件」です。

 

あとは「前も見たな~」と思う土地が大半です。売れてないものはいつまでも出ていて後は新着物件が入れ替わりなんですね。

 

その中で【本命】を絞ると、大体1~2週間でその物件は売れています。当たり前です。プロの目に叶う物件はそんなにたくさんあるものではないのですから。

 

僕らがおススメした物件が売れないことはまず無いです。

 

みなさんは僕らプロを信じて安心して相談してください。僕らは、僕らのおススメが本当に良い土地ですぐ売れちゃうものだと信じて頂けるだけの信頼を得るよう頑張ります。

 

自由が丘不動産エージェントタシカ 代表取締役 名取確