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水害ハザードの説明義務

自由が丘不動産エージェント㈱タシカの名取です。大分、ブログの更新の間が空いてしまいました。忙しくて…。このところ戸建て購入意欲の高いお客様が多いです。コロナ禍で人の価値観は確実に変化していますね。ただ、土地選びは慎重に・・・前から口酸っぱく言っているのですが低い所はダメです。近くに川があって、1級河川でもなければ流されることは無くても浸水リスクは意外とすぐそこにあります。

ついに国交省が動いた

今般、豪雨災害に見舞われた地域の方々にはお見舞い申し上げます。一刻も早い復旧を願ってやみません。

 

とはいえ、私達に出来ることはあまりにも小さくて正に微々たるもの。豪雨による洪水災害は本当に規模が大きすぎて恐ろしいです。

 

近年の水害増加を受けて、国交省がついに動き出しました。

 

不動産購入時の重要事項説明に、水害ハザードマップにおける当該宅地建物の浸水等リスクの有無を記載することが義務づけられます。

 

いや、これ凄い事だと思いますよ。まだこのリリースに気づいていない同業の方もいらっしゃるかもしれませんがこんな大事な改正なかなか無いと思います。

 

以下が、全国宅地建物取引業協会(いわゆるハトマーク)から所属会員に送られてきたリリースの一部です。

 

近年、大規模水災害の頻発により甚大な被害が生じ、不動産取引時において、水害リスクに係る情報が契約締結の意思決定を行う上で重要な要素となっていることに鑑み、宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する命令が7月17日に公布され、8月28日に施行されることとなりました。

 

これによって、何がどう変わるかというと【不動産の価値】に大きな変化がある可能性が高まったという事です。

のど元過ぎれば…

基本的に、人間は忘れやすい生き物ですから(嫌なことは忘れないと生きていけないし)水害で浸水したかどうかなんて意外と忘れちゃいます。昨年、首都圏でも被害を出した台風19号は記憶に新しいところですが、今、その被害エリアの不動産価格がどうなっているかというと、特段変わりはありません。

 

武蔵小杉のタワーマンションは値下がりしていませんし、戸建て・土地なども普通に売れています。

 

結局、みんな利便性が高くて住みたいと思うエリアは、だましだまし売れてしまうんですね。

 

「まぁ去年のは異常だったから、これからは大丈夫でしょう」

「ポンプアップさえすれば内水氾濫もしないでしょう」

「治水されるし、対策も取られるから平気だろう」

 

というのが、いわゆる≪正常性バイアス≫です。

 

残念ながら近年の水害は、今までの“異常事態”が“通常”になりつつあるという警鐘だと思った方がよさそうだと私は感じています。周りよりも「安い」という価値があるのかもしれませんが、今後はその価値がさらに目減りするリスクがかなりあるという事を再認識していいと思います。

 

不動産の取引で、買主様にとって最も重要な場面である「重要事項説明」で水害ハザードの説明が新たに求められることになったというのは相当センセーショナルですよ。今までは、意識の高い業者や買主が独自に調べて細かい説明はしなくても重要事項説明違反に問われることも無かったですし「いや~凄いですね最近の雨は・・・」なんて会話だけで済んでいたわけです。

 

今後、重要事項説明でハザードについて説明する義務が生じるのですから、業者はリスクヘッジに動きます。どういうことかというと、当該地だけではなく周辺のハザードも調べるし、浸水履歴なども調べます。少しでも可能性があれば「近年の台風・ゲリラ豪雨等、想定を超える雨量により浸水の恐れがあります」といった内容の記載がされるでしょう。書かれれば、気になります。より詳しく調べようと思うのが普通の買主様だと思います。だって、そこに住むわけですから。

 

一般の方の、意識改革が進めば、浸水リスクがあるところに住むなら「そのリスク分以上は安くないと嫌だ」と思うのが人情ではないでしょうか。まぁ基本的には「住みたくないな、そんなとこ」と、言われてしまってもおかしくありません。35年の住宅ローンを組んで、家族を守るために家を買うのに、リスクを背負うのは少しでも少なくしたいと思うのが人情ではないでしょうか。

 

そういう意識が進んでいくことで、水害に弱いエリアの不動産の価値は激減すると思います。ニーズが減れば、価格が下がる。当たり前の事ですね。

後は個人の価値観です

とはいえ、大規模洪水リスクがあるから引っ越そう!なんてすべての方が動けるわけもなく…。

 

近所の小さい川が溢れる可能性があって50㎝くらいの浸水予想なら基礎の部分位で済むから目をつぶろうという判断をされる方が大半でしょう。

 

それより、駅からの距離が近い・人気の学区・スーパー等が近く生活利便性が高いとされるエリアであれば「住みたい!」と思いますよね。それはそれでいいのではないかと思います。

 

ただ、リスクを適正に判断して、万が一の時にかかる費用まで計算して備えが出来るという事であれば…です。一般の木造戸建て30坪の戸建て1階部分が浸水したらどうなるか?!よく考えましょう。

 

建具は水を吸って駄目になりますから全交換。風呂など水回りも交換・床は根太まで全部交換。さらに見落としがちなのが水を吸いやすいグラスウールなどで出来ている断熱材がある場合はそれまで全部交換。最悪の場合、断熱材は水を吸い上げて2階まで上げてしまうリスクすらあります。

 

片付け⇒仮住まい⇒フルリフォーム⇒家電・生活用品の交換となると・・・結構な金額です。100万じゃきかない・・・500万単位のお金が必要になると思います。

 

だからこそ、災害に強い住まいを選ぶという観点は物凄く大事ですね。床・接合部・柱にも木を使ってなくて、木造家屋が流されてきてぶつかっても壊れず2軒の家を受け止めてその家に住んでいた人の命さえ守れた実績のある利根川洪水で有名になったあの白い家は・・・ヘーベルハウスです!

 

だから私は、ヘーベルハウスをおススメしています。

 

これに勝る実績なんてありません。

 

究極の防災向けオーダー品なのではなく、標準仕様のヘーベルハウスがこれですからね。

 

是非皆さんも、展示場などで性能を体験してみてください。私がご案内しますよ。

 

自由が丘不動産エージェント㈱タシカ 代表取締役 名取確